■レジスタンストレーニングと筋肥大
・筋を最大に肥大させるためには、速筋線維だけでなく、中間筋線維や遅筋線維も刺激する必要がある。なので、速筋線維が疲労から回復する時間を与えないようにすると効果的である。(2分以上の休憩だと速筋線維が回復してしまう可能性がある。)
・あまり速い速度で反復すると、遅筋線維はついていけないため、十分な刺激が加わらない。
・中間筋線維や遅筋線維を十分に活動させるためには、セット数を多くして速筋線維が疲労し、力を発揮できなくさせる必要がある。
■レジスタンストレーニングと筋パワーの増大
・比較的軽めの強度(初・中級者では、最大挙上負荷(1RM)の30~60%)
・疲労しない範囲で、比較的少ない反復回数で、全速力で動作を繰り返す必要がある。初心者はまずは正しい動作を身につけること。
・特異性の原則に従って、速い動作で行う。
・初心者の場合は、レジスタンストレーニングであれば、何を目的としても1~3セット程度で行う必要がある。(ACSM推奨2~4セット)(トレーニングに適応して強くなるまで)
・トレーニングのセット間の休憩は長めにし、十分回復させてから速い速度でトレーニングする。
■レジスタンストレーニングと筋持久力の増大
・初中級者では強度を30~50%で設定するとよい。
・初心者では10~25回、上級者では10~15回程度の反復回数
・筋持久力とは、疲労に対する耐性のことでもあるので、セット数を多くすることで、筋を疲労させ、耐性を高めるようにする。
■最大挙上負荷の測定
・最大挙上負荷の測定は1RMまたはMAXと呼ばれ、最大テストの一種である。
・RM法だと強度を設定する場合は、1RMは必要ない。%法では1RMが必要になる。
■油圧式レジスタンストレーニングマシン
・油圧式マシンは、強く(速く)押せば強く抵抗するし、弱く(ゆっくり)押せば弱く抵抗する。つまり、負荷抵抗は一定ではない。
・水の中と同様に、動かそうとすると抵抗するが、動かすのを止めると抵抗しなくなる。押し返してこなければエクセントリック(伸張性)のトレーニングはできない。
・強度はトレーニングを実施する人が発揮する力で決まるので、数字でトレーニング強度を把握することができないものが多い。
■レジスタンストレーニングの種目
・ツーハンズカールでは、シャフトをアンダーグリップで肩幅よりやや狭く握り、肘を曲げながらバーベルをあげる。上腕二頭筋が主に強化される。
・フレンチプレスでは、ダンベルを両手で握り、頭上に構え、肘を高く保ちながらダンベルを後頭部にゆっくり下ろし、再び頭上にあげる。上腕三頭筋が主に強化される。
・ベンチプレスでは、ベンチ台に仰臥し、頭、両肩、殿部をベンチにつける。両足は床に置く。シャフトを両肩よいもやや披露目で握り、胸に下ろした後に、押し上げる。大胸筋、上腕三頭筋、三角筋が主に強化される。
・ダンベルフライでは、フラットベンチに仰臥し、各々の手に持ったダンベルを、肩の水平位から円弧を描くようにあげる。初心者は、肘を伸ばしたままで行う。主に大胸筋が強化される。
・サイドレイズでは、両手にダンベルをもって、直立姿勢で、手の平を身体の内側に向けて構え、腕を横に持ち上げる。あげる高さは肩と水平位とし、ゆっくりおろしてスタート姿勢に戻る。三角筋と僧帽筋が主に強化される。
(ただし、健康づくり運動としては棘上筋のインピンジメン傷害の予防のために手の平を身体の内側に向けて行うほうが安全である。)