【会社法978条・979条】外国会社に関する罰則とは?日本代表者が負う義務と過料リスクを解説

日本でビジネスを展開する外国会社には、日本の会社法に基づいた登記や公告の義務が課せられています。これらの義務を怠ると、会社法第978条や第979条に基づき、日本における代表者個人に対して重いペナルティが科される可能性があります。
本記事では、外国会社の運営において注意すべき「罰則」の内容と、その対象となる行為について詳しく解説します。

1. 外国会社に対する罰則規定の概要
日本に営業所を設けたり、継続して取引を行ったりする外国会社は、日本の法律(会社法)を守る義務があります。
  • 第978条(刑事罰): 外国会社の代表者が、日本国内での代表者としての任務に背き、会社に損害を与えた場合などの「重い違反」に対する処罰。
  • 第979条(行政罰:過料): 登記の遅延や、書類の備置義務違反など、手続き上の不備に対する制裁。
2. 第978条:外国会社の代表者等の特別背任罪
会社法第978条は、外国会社の日本における代表者などが、「自己もしくは第三者の利益を図る目的」や「会社に損害を与える目的」で任務に背く行為(任務違背行為)をし、会社に財産上の損害を与えた場合に成立します。
  • 性質: 日本法における「特別背任罪(第960条)」を外国会社の代表者にも適用するものです。
  • 罰則: 10年以下の懲役 もしくは 1,000万円以下の罰金(またはその併科)。
3. 第979条:外国会社に関する過料(手続き違反)
実務上、最も遭遇するリスクが高いのがこの第979条です。日本での代表者が以下の義務を怠った場合に科されます。
① 登記義務違反
日本における代表者の選任や、営業所の設置、登記事項の変更などを、定められた期間内に行わなかった場合。
② 公告・備置義務違反
  • 貸借対照表等の公告: 日本で継続して取引を行う場合、決算情報の公告が必要です。
  • 定款等の備置: 日本の営業所に、定款や株主名簿などの重要書類を置いていない場合。
③ 罰則(過料)
  • 金額: 100万円以下の過料
  • 対象: 外国会社の日本における代表者個人に科されます。
4. 外国会社が日本で守るべき「3つのポイント」
罰則を回避するためには、以下のコンプライアンス遵守が不可欠です。
  1. 速やかな登記: 本国の役員変更や住所変更があった際、日本側の登記も遅滞なく更新する。
  2. 日本における代表者の常駐: 法律上、日本における代表者のうち少なくとも一人は日本に住所を有していなければなりません。
  3. 正確なディスクロージャー: 日本の会社法に準じた形式で貸借対照表を公開する体制を整える。

5. まとめ
会社法第978条・第979条の罰則規定は、日本市場の公正さを保つためのものです。外国会社だからといって日本のルールを軽視すると、代表者個人が刑事罰や多額の過料を負うだけでなく、日本でのビジネス継続が困難になる恐れがあります。

最新情報をチェックしよう!
inserted by FC2 system