■ウォームアップの時間や構成について
・どの程度の時間ウォームアップを行うかは、主運動の内容、運動の場所、気温、実施者の特性によるので一概には決められない。身体活動量を増加させる「歩く」場合は、ウォームアップの必要ない。高強度な主運動であっても陸上と水中では内容は異なる。また、鍛錬された者ほどウォームアップに長い時間が必要であることが多い。反対に、体力が劣っている人には長いウォームアップは疲れて主運動を十分に行うことができないこともある。
■高血圧を有する者が寒冷環境で運動を行う際の注意点は、できるだけ、空調(暖房)の聞いた屋内で運動すること。
■クールダウンの目的としては、主運動で疲労した骨格筋をそのままにしておくと、柔軟性が低下する可能性があるので、クールダウン時のストレッチングでは、主運動で酷使した骨格筋を中心にストレッチングする必要がある。クールダウンの有無と基礎代謝は関係ない。
■ウォームアップ・クールダウンともに全運動時間の約10%前後が適切である。
■バリスティックストレッチングよりもスタティックストレッチングのほうが安全性に優れている理由(メカニズム)
・筋が腱に移行する部分にもゴルジ腱器官とよばれる固有受容器があり、腱にかかる張力を感知するとゴルジ腱器官から脊髄に信号を送る。すると、伸ばされた筋を支配する運動神経を抑制し、筋を弛緩させるという機構が働くから。
■ストレッチングと相反性神経支配(相反性反射)
・相反性反射とは、主働筋を収縮させると、拮抗筋が自動的にリラックスするという反射である。例えば、肘を曲げて持ち上げる動きは、主働筋は上腕二頭筋、拮抗筋は上腕三頭筋で屈曲を邪魔しないようにリラックスすることが、相反性反射である。
■ストレッチング
・能動的ストレッチング:拮抗筋の力を使って、目的とした骨格筋を伸ばそうとすること。
・受動的ストレッチング:上記以外のストレッチ方法。(ゴムや紐などを使って行うことも含む)レジスタンストレーニングで本来の重量の半分以下の負荷でゆっくりと、できるだけ大きく、可動域の限界まで動作を行うことで、受動的にダイナミックストレッチングをかねることもできる。
■PNFストレッチング
・PNF(proprioceptive neuromuscular facilitation)固有受容性神経筋促進とよばれる治療法。動作または機能を遂行することが容易になることであり、刺激に対して反応しやすくなることである。この方法で行うと、ストレッチングに対する反応が良くなる。
・知識と技術を有するパートナーが必要となる種目が多いので、1人で行うエアロビックダンスのクールダウンでPNFストレッチングを行うことは、まずない。